府議会質疑と検証していただくために

「大阪府の国際児童文学館を応援します!」より。

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7/10(木)
一般質問

若林まさお(自民)※議会運営委員
[◎児文について
「 H13年9月府行財政計画案で抜本的見直しの経緯があるがその後の運営改善に向けて教育委員会はどのような取組を行ったか?」
「府からの3人の派遣職員人件費が3400万。教育委員会の職員ポストの確保と思われてもしかたがないのでは? 常勤非常勤を含めて27人に人件費が払われているが?
あまりにも存在が認知されていない。周知徹底をどの様に行ってきたのか?
(利用促進を)ほとんどやっていない内容に等しい。最近になって初めて一回だけやったモノレールのイベントの成功のみ。大阪維新プログラム案では移転により運営効率化が図られるというが、これまでの取組が不十分であったためで、まず正すべきは教委の取組であり、今回の施設の見直しは教委の取組の甘さと怠慢に寄るものではないか? どう思うか?
中央図書館に移転した場合の試算は? 
仮に1年間、現在の場所で休館をしたらどれくらいの費用ですむのか? 万博公園への借地料2000万の減免については可能なのか?」
教委答弁
「休館をした場合、建物図書資料の維持管理は借地料2000万を含め4000万はかかる。)」
若林まさお
「どうしたら引き続き今の場所でサービスを行えるのか、利用促進のためのサービスを考えるべき。知事は今の場所での存続サービスを考えた事があるのか? 何億円もかけて移転するのは当プログラムに反するのではないか?
府民からアイデアを募り、府民と一緒になって経費削減など知恵を絞れば良い。NPO法人支援や大学などのボランティアなどを協力をあおげば人件費の節約につながり移転より少ない経費で済む。一定の部分を博物館として利用料等も取ればよい。これがまさしく知事が言うところの府民参加型の府政であると思う。
試みにコンテンツ産業の製作企業にアイデアを出してもらったところ、例えば著作権の切れた紙芝居をコンテンツ関係の学生に授業の一環として(デジタル)映像化してもらい、動画投稿サイトに流せば人材育成にもつながり、経費もさほどかからず、世界中の人に児文とそのコレクションを知ってもらえる。絵本や紙芝居の一部をウェブで公開し、コンテンツとして利用、祖父母が孫世代に読み聞かせできる素材として利用できる。
東京の国立国際子ども図書館は、国会内で「東京でも大阪の児童文学館のような施設を作りたい」と会が結成され、開館したもの。現在の内容は大阪の方が充実している。
今までの児文についての知事の答弁を聞くと全て同じであるが「どない考えても、どうしてそこまで児文の移転にこだわるのか、知事の考えがわからない。知事にじっくりと答弁をいただけば、府民も議会も納得するのではないか?」
橋下知事答弁
「文化が根付くには、必死さがなければ無理だと思う。財団に必死さがない。今のかたちのままでは無理ではないかと思い、府立図書館への移転を考えた。補助金や運営委託金がもらえる中では文化は根付かないと僕は思う」

7/14(月)
教育文化常任委員会 質疑
八重樫善幸(公明)
「存続については大阪を越えて全国的な声となって届けられ最大の関心事となっている。地元吹田市から存続要望と共に支援の話がある。また、現状のままで1億円の経費で管理運営を引き受けたいという企業の話も私は聞いている。実現性は別にしてもそれだけ価値のある施設ということであり、このままで存続の可能性も充分あったのでは。これまでの教委の検討の経緯は。

7/16(水)
山本陽子(共産)〈38分中児文関連は約15分〉
「府立図書館移転後も児童文化の総合資料センター機能は維持する努力をするとの答えがあったが、移転後のイメージとは? 図書館に併設した(文)学館ということか?

(教育委員会地域教育振興課長
「移転後もひきつづき図書資料の収集を行うとともに、中央の所蔵する貸出資料とは別に、資料は別管理で集める。児童文化の総合資料センターとしての役割を果たしていきたいと考えている。移転に際して一定の施設整備が必要になるものの、現在の子ども室や閲覧室にくらべ、より広いスペースの確保も可能になる。現在の子どもに貸し出している約12万冊の資料と合わせて一層の利用ができると考える」
山本陽子
「移転にはさまざまな問題がある。児文館には田島征彦(たじまゆきひこ)さんの原画がある。「原画の行方が気がかりだ。大阪が世界に自慢できるものをつぶしてどうなるのか。府民もわかっていると思う」と述べている。寄贈が70万点の蔵書の6割(ママ)を占めている。元の寄贈者の鳥越さんとの信義を破ることはもちろん、田島さんのような寄贈者との信頼関係も崩れるだろう。図書館なら寄贈しなかったであろう。寄贈者との信頼関係、信義をどう考えているか?」
教育委員会地域教育振興課長
「ひきつづき資料を収集し、整理し公開することを条件に鳥越さんから12万点の資料を寄贈を受けたと聞いている。児文において、資料については散逸せずにそのままの状態で保存、児童文化や読書振興に有効活用、子どもたちの読書振興に役立てられることなどから寄贈いただいた。移転後もひきつづき集め、活用、振興をすすめることでご理解いただきたい。」
山本陽子
「しかし移転すると散逸の恐れがある。また、利用者を増やすために移転というのが理由となっているが、この論は正しいのか?」
教育委員会地域教育振興課長
「別管理を考えているが、総合図書館である中央との機能を組み合わせることにより、機能向上とともに府民サービスの向上も図れると考える。現在子どもたちが「ほんナビきっず」で検索して読みたい本を見つけても、児文館では24,000点しか貸し出していない。一方、中央には貸し出せる12万点がある。可能性も拡がる。子どもと本との出会い、子どもにかかわる大人と本との出会いが重要。その機会の拡大には立地条件の利点があり、交通アクセスが改善されることで70万点を見たいと来る利用者の増加も見込まれる。中央図書館に来る人が合わせて閲覧できる期待もあると考えられる。また、中央図書館にはさまざまな資料を閲覧に来られる方、さまざまな読書活動に関心のある方が来られる、これらの方を通じて府民利用に一層の利用向上がはかれると考えられる」
山本陽子
「やはり、図書館との違いがわかっておられないというか、借りるのを目的として来られる中央図書館とは児文館は違う。仮に、(移転が)有効になるのであれば、どうしてパブリックコメントに反対の声が多いのか? 地域の親子文庫、子どもたちに直接つなげる人たち、そういう人が、有効ならば賛成するではないか? また、児文館が現在継続している外部事業(ニッサン童話と絵本のグランプリ、富士通と共同開発した「ほんナビきっず」など)がある。児文館だから企業がタイアップして行っているのではないか? スタッフを中心に長年データを蓄積したからではないか? これらの事業は継続が保証されるか?」
教育委員会地域教育振興課長答弁
「教委として、中央図書館移転後も、継続に努力していきたいと思っている。」 
山本陽子
「図書館なら、こういった事業は継続できないのではないか。」
山本陽子
「教育長に聞く。(H19年度の)全国学力テストの(大阪の子どもたちの)読解力が低いと出た結果と児文館と関係はあるのか?ないのか?」
教育長答弁
「(H19年度の)全国学力テストにおいて小学校の国語において「読む力に課題があり、読書の習慣が身に付いていない」という指摘がある。あくまでも児文館は吹田市に位置する52,000人の府民利用が計られている施設なので、それでもって全ての大阪の子どもたちの読解力につながるものだとはいえないであろう。教委で考えている課題は学校で読書活動をすすめる、家庭、図書館ですすめていくことが重要。立地条件によって利用の拡大がはかられていく。今回利用の多い中央に持っていくことでその機能、市町村、学校の図書ルームとのネットワークも有効活用できる取組みもできるのではないか。課題としては乳幼児への取組み、読書振興の充実も。児童文化の総合資料センターを図書館に移転によりこれまでの成果を継承しながら児童文学、児童文化、府民の読書活動振興充実などすすめたい」
山本陽子
「現地存続のための方策を府民そして関係者みんなで探って、さらによく議論していこうと申し上げておく。この問題はまた知事にも(質問をお願いする)」

7/18(金)

上の和明(民主)
「パブリックコメントなど多くの反対の声があるが?」
橋下知事答弁
「声は認識しているが移転する。本を全部捨てるわけではなく、資料は保存する」
上の和明
「児文には素晴らしい機能がある。財政再建を目指しているのに数億の支出を予定するのはおかしい。二ヶ月で決めるのは拙速である。私は統廃合には絶対反対である。」
橋下知事答弁
「ランニングでは2億かかっているので、私は移転の方が効率がいいと思う。移転する」
上の和明
「地元の支援の提案がある。財団法人も経費縮減に向けてせいいっぱいの努力をすると意向表明。全国から支援の手も予想される。利用者は移転後増えるというが保証はない。現地存続を要望。9月定例議会、2月定例議会にてゆっくりと議論したい。]

八重樫善幸(公明)
「文化とは何か。府民に理解を得るためにも、100年後1000年後にも残していきたい大阪が守るべきものかどうか、を見極めるべき。
ニッサン童話と絵本のグランプリ、国際グリム賞、創刊号からを誇る漫画のコレクションがある。どちらかというと専門家を入れてもっと誇るべきさらなる有効な活用を行うべき。じっくりと検討をするべきと思うが?」
橋下知事答弁
「表彰機関、資料の博物館、子どもたちに対するサービスと考えると、子どもたちに対するサービスなのではないか。移転する」
八重樫善幸
「願わくば全てのことを含めて検討していただきたい」

清水義人(公明)
「文化を通じて次世代育成事業」への知事の考えを。」
橋下知事答弁
「文化戦略は更に検討を進める」
清水義人
「年齢階層抜きにして多くの人に、小さいときに、本物に出会う機会を与えたい。これが大阪元気シリーズ事業のコンセプト。ひとつの学校の一部の子どもであっても、その感動は伝わっていく。広がりのある投資。公がなぜ文化に投資しないといけないのか?という疑問には、所得の差によってでなく、行政が皆にサービスすることが目に見えない力が拡がっていくのではないか。もちろん無駄を省くのは大切だが全て無しにするのはどうなのか。当初廃止と言われていたものでも残ったものがあるが、最初からダメといったもの、児文やワッハ、センチュリーは全てダメ。その違いは何なんだろうか?一度聞きたかった。」
橋下知事答弁
「なぜクラシックだけにお金を投じるのか。路上ミュージシャンや演歌やポップスほかではなく、クラシックは高尚な芸術だからという答えしか識者にもらえなかった。公費がなく、やっているミュージシャンにもなぜ援助をしないのかという疑問がある。このようなやり方しか僕はできなかった。残したものについては意欲が見えた。」
清水義人
「知事が第三者という立場で文化を論じるのはいいが、これは大阪府がこれまでに作りあげたもの。知事はそのオーナーという立場で、知事という立場で判断されないといけない。自分の考えだけで判断してはいけない。そういう意味で文化振興条例をどう思うかと質問した。関係者の意見をふまえて大阪府のオーナーとして判断されたい。」

山本陽子(共産)
「文学館は図書館と違う機能。入場者数を比較は意味がない。移動の費用は5-6億円。7割を越える寄贈、引き続き集める整理し公開するという誘致約束が守られる保証がないこと。デメリットの方が大きい。反対するパブコメも多い。今急いで廃止移転といわず、さらに現地存続の方法、地元協力をえて探ってみるのはどうか?」
橋下知事答弁
「教育委員会がすばらしい移転案を作ったと思っている。現状よりより多くの子どもたちの読書振興をはかれるような充実した案となっている。移転する。」
山本陽子
「現地存続に向け話し合いを重ねて欲しい」

横倉廉幸(自民)
「知事のショック療法のおかげで、今廃止といわれている施設も周知ができた。今のピンチがチャンスになっていると。広報をしようと思えばかなり時間と費用がかかるが、知事のおかげで今回はそれぞれいろいろなところでうもれていたものが表に出て輝けるような可能性がでてきた。充分に考慮にいれながら、それぞれの対策を考えていただきたい。」