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研究=日本の児童文学3 1995.08.04
児童文学史を問い直す--表現史の視点から 目次
総論
児童文学のことば、児童文学というコミュニケーション--宮川健郎
1 「児童文学の表現史」というくわだて 11
2 児童文学のことば 13
3 児童文学というコミュニケーション 19
4 「仮装」という概念の再定義 24
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第1部 「表現」から読む、日本児童文学
『こがね丸』の可能性--男色文学としての「少年文学」--小森陽一
1 『こがね丸』と『三十年目書き直し こがね丸』との間で 35
2 欲望と禁止の間で 45
未明童話の様式論--『赤い蝋燭と人魚』を読み直す--中村三春
1 児童文学の漸近原理 55
2 “子ども”という概念枠 59
3 <対応=伝達>の暗黙知 61
4 テクストの地理空間 65
5 “パラレルワールド”の構造 68
6 死滅する都市--コミュニタスの論理 72
7 “マナ”としての「蝋燭」 76
8 結び--幻想文学としての未明童話 79
白秋童謡への一視点--『とんぼの眼』の位置--中島国彦
1 「なぜなぜ」という問い 83
2 「なぜなぜ」の変貌 86
3 原初的混沌への眼 92
4 イメージの共時性 97
「虎ちゃん日記」に出発した「おれ」のゆくえ--浜野卓也
1 その評価、戦前戦後 107
2 「おれ」の発見 114
3 「虎ちゃん日記」を超えていく「おれ」 119
4 「おれ」の到達点としての無感傷性 124
『銀河鉄道の夜』への旅--脇明子
1 『銀河鉄道の夜』の転生--初期形と最終稿 129
2 銀河鉄道に乗るまで 133
(1) 違和感と親しさ 133
(2) 夜の世界の魅惑 136
(3) 世界からの遊離 138
3 銀河鉄道の旅 141
(1) はじめに 141
(2) 光と化した物質 144
(3) 夜汽車の道連れ 147
(4) 言葉による音楽 152
4 目覚めと涙 155
南吉と譲治--リアリズム童話を中心に、その対比的考察--原昌
1 はじめに 161
2 童話における「物語性」ということ 164
3 心理描写の手法 167
4 笑い、ユーモアとペーソス 171
5 庶民性と小市民性と 175
6 南吉・譲治にとって童話とは 180
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第2部 「表現史」の断続
「表現史」の断続--「童話」の傍流、「児童文学」の伏流--佐藤宗子
1 「断続」への注目 195
2 『小公子』--媒介者の源泉 198
3 『鉄の靴』--「童話」表現の湧出 201
4 青木茂--作家の渾身、作品の浸透 205
5 平塚武二--叙事の世界、語りの空間 208
6 無国籍童話と無何有郷ファンタジー 212
7 「伝達」の意志と語りの方法 215
8 水脈の把握へ 218
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第3部 「表現史」の外延
大衆児童文学の新しい風--二上洋一
1 物語性の構図 223
2 抒情性の展開 228
3 戦後の大衆児童文学の諸相 233
4 少女小説の可能性 238
5 異次元ファンタジーの魅力 242
6 再び、物語性の構図 245
<少女小説>を読む--吉屋信子『花物語』と<少女美文>の水脈--中村哲也
1 『花物語』の美文 249
2 投稿する<少女>たちの美文世界 255
3 『花物語』から<ポエム>へ 260
児童文学における「国境」と「越境」--上野瞭
1 表現は「間仕切り」となりうるか 265
2 意識の中の「間仕切り」 274
3 「越境」とは何か 281
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