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リハーサルの時間です。 さて、映画『ごめん』の出演者として選ばれし子どもたちがリハーサルに入りました。選ばれたということは、オーデション最中に友達となったライバルに勝ってしまったのを意味します。一番気になっていたのが、主人公の初恋相手となる女の子。事務所系の多数の「カワイイ」子たちを振り切って一般から選ばれました。最初に見た時から、この子しかないと思っていた私は、彼女が選ばれたのを喜んではいるのですが、演技の基礎もできていないのですから、とても心配。最終選考に残ったのは彼女と事務所系の、とても演技が巧い子。誰がどこからみても、後者の方が扱いやすい。しかし、監督は、危険な掛けに打って出たわけです。 リハの休憩時間、彼女にインタビュー。「決定の電話がきたとき、どんな気持ちになった?」。彼女と最終選考に残った子はその時点でメルトモになっていたそうです。で、まず連絡したのは、落ちたその子。自分が受かったのを報告メールした。 え? そんなことあり? 普通、受かった側が落ちた側に受かった報告などしないのでは? もう少し訊くと、その知らせを受けた子は、「私が落ちたのは、オーデションの時にわかってた。監督たちの関心が私に向いてなかったから。何か教えられことあったら、遠慮しないで、尋ねて」と返事を寄越したそうです。やはり最終選考まで残る子はスルドイ。 これは、メルトモ時代だからこそ成立する、友達関係です。手紙でも電話でも、そうした報告とそれへの返事は出来ないはず。人と人とのコミュニケーションの距離や質が変わってきているのです。 リハは子どもたちが学校から帰った5時頃からと、休みの日に行われています。観ていておもしろいことは山ほどありますが、中でも、えーっと思ったのは、シチュエーションがうまく理解できない子が多いこと。前回触れたように、一般の子どもも演技力はアップしています。一場面だけなら。が、前にああいうシーンがあったから、今あなたはここでこういう反応をするんだよってのが、掴めないのです。もちろんシナリオはすでに配って読んでもらっています。でも物語の流れと、そこで自分が演じる役の気持ちの変化などがわからないのです。読解力が落ちている。んんーん。読書量の低下が原因でしょうか? それとも子どもたちが、自分の昨日から今日、今日から明日へのビジョンを描きにくくなっているのかな。 |
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