このたび、「東京翻訳研修会」(代表:小野仙内)発行、NIFTY SERVE 翻訳フォーラム・エントリー館7番会議室「やまねこ翻訳クラブ」編集協力という形で、電子メールマガジン『月刊児童文学翻訳』を創刊することになりました。やまねこ翻訳クラブおよび東京翻訳研修会に所属する児童文学翻訳学習者が、児童文学翻訳家をめざす方々のために作った電子メール版情報誌です。
ご意見・ご感想など、お待ちしております。(VES00643@nifty.ne.jp)
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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■児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌■
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●創刊のことば● 〜児童文学翻訳家をめざす人を応援します〜
児童文学に限らず、文芸の翻訳家になるのは非常に難しいといわれています。ビジネス翻訳のように、新聞や雑誌に求人広告が載るということはまずあり得ませんし、文芸翻訳家の需要自体もそれほど大きなものではないからです。では、わたしたちはどうすれば文芸翻訳家になれるのでしょうか。それを、児童文学を中心にみなさんと一緒に考えていくのが、この『月刊児童文学翻訳』です。
『月刊児童文学翻訳』では、児童文学翻訳家をめざすみなさんにぜひ知っておいてほしいことや、児童文学翻訳家になるために参考となる情報を随時掲載していく予定です。この情報誌が、みなさんが翻訳家としての第一歩を踏み出す足がかりになれば幸いです。(月刊児童文学翻訳編集長宮坂宏美)
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●巻頭特集●1998年ニューベリー賞受賞作 Karen Hesse "Out of the Dust" 研究
アメリカで最も権威ある児童文学賞といえばニューベリー賞。児童文学(特に英米)の翻訳者をめざすなら、その最新の受賞作ぐらいはおさえておきたい。ここでは、今年1月に発表になった1998年の受賞作"Out of the Dust"の内容を詳しく紹介しよう。
【概要】
−−14歳の少女ビリー・ジョーの心情を散文詩の日記形式でつづったヤング・アダルト小説−−
時は1934年、大恐慌のさなかのアメリカオクラホマ州が舞台。この時代のオクラホマは、Dust Bowl と呼ばれ、土壌の疲弊と干ばつによって連日大規模な砂嵐が起き、人々の生活が脅かされていた。
そんな中14歳の少女ビリー・ジョーは、このDust Bowl を逃れて西部へ向かいたいという望みを抱きつつも、ひとつの夢に支えられて毎日を送っていた。それは、ピアニストになること。彼女の家は貧しい農家だが、母がずっと大切にしてきたピアノがあり、それを奏でるのがビリー・ジョーの生き甲斐なのだ。
ところがそんな彼女の家庭を恐ろしい不幸がおそう。父が何の気なしにコンロ脇においた灯油のバケツにコンロの火が引火し、さらにビリー・ジョーがそのバケツを家の外に放り出そうとしたところ、運悪く母と衝突して母を火だるまにしてしまったのだ。赤ん坊をみごもっていた母はまもなく死に、ビリー・ジョーも両手にひどい火傷を負う。
残された父と娘は、どちらも生きる気力を失いながらやっと毎日をおくっていく。
とりわけビリー・ジョーは、灯油のバケツをコンロ脇においた父をどうしても赦すことができず、また思うように動かなくなってしまった両手にも絶望感を抱く。彼女はどのように心の傷をいやし、再び立ち上がるのか。
生命を脅かす砂嵐が、つらい運命を象徴するかのように襲いかかる中、ビリー・ジョーはそれでも一条の光を見いだしてゆく……(内藤文子)
【感想】
・散文詩の形式をとっているこの作品は、余分な言葉がない分読者の心にストレートに響き、最後までひっぱられる。私自身も最後まで一気に読み終えられたし、心を揺さ振られる文章に何度も出会った。カレン・ヘッセの他の作品も是非読んでみたいと思った。(植村久美子)
・表紙の折り返しに、"And she must forgive herself, for being the cause of her own sorrow" と書いてありましたが、そのわりには、事故とはいえ母親を死に至らしめてしまった自分に対する罪の意識が、どうもあの散文詩の中からは伝わってこないような気がしました。父親を許すにしても、自分自身を許すにしても、もっともっと葛藤があってよいのではないでしょうか。(宮坂宏美)
・これは私の勝手な憶測ですが、この小説は、かなり学校でテキストとして読まれることを意識して書かれたんじゃないか、という気がします。逆境に立ち向かいながらたくましく生きる少女。大恐慌時代のオクラホマという時代背景(物語の中に、この時代のオクラホマがなぜ Dust Bowl と化してしまったのかが、わかりやすく説明されています)。そして、同じ時代、同じ場所を背景とした名作『怒りの葡萄』(スタ
インベック)への導入。教室で使うにはもってこいなんですよね。(内藤文子)
【解説】
アメリカの児童書専門書評誌"The Horn Book Magazine"98年7/8月号に掲載された著者 Karen Hesse の受賞スピーチによると、この作品のテーマは"forgiveness"(許し)だという。主人公ビリー・ジョーの、父親、母親、自分自身に対する許し、そして自分の生まれた土地に対する許し、そういったものが作品全体を通して語られている。
「わたしたちは毎日のように人を許し、人に許されながら生活している。時には許すことしか解決策がない問題もある。そうして互いに日々許し合うことで、未来へ向かって進んいくのだ」と作者は述べている。
この作品には、母親がコンロ脇にあった灯油を水と間違えて使おうとしたために火災が起き、結果的に娘が母親を火だるまにしてしまうという衝撃的なシーンがある。
作品を読んだ読者からは、そんな勘違いが本当に起こり得るのかという質問もいくつか寄せられたそうだ。しかしこのエピソードは、物語の時代設定と同じ1934年の"Boise City News"の記事を参考にしたもので、実際にあった話だという。著者自身、水と酢を間違えて夫の大事な植物を枯らしてしまうという同じような体験をしたことがあると語っている。
ちなみにこの作品は、Hesse が3番目に書いた歴史小説(historical novel)で、前回の2作は、自分自身のユダヤ人としてのルーツを探るもの(作者はおそらくユダヤ系アメリカ人なのだろう)、そして今回の"Out of the Dust"は、人間としてのルーツを探るものだったという。他にも、歴史小説は売れないからと忠告を受けたこと、それでも歴史を調べるのが好きで、Oklahoma
Historical Society の協力を得て徹底的にリサーチしたこと、構想を練るのに3年も費やしたこと、最初に作品を読んだ娘が泣いてくれたことなどがスピーチの中で語られていた。(宮坂宏美)
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Karen Hesse:アメリカ・バーモント州在住。主な作品に、"Letters from Rifka"(スコット・オデール賞受賞)、"Sable"(スクール・ライブラリ・ジャーナル年間図書賞受賞)、"Music
of Dolphins"などがある。いずれの作品も日本ではまだ紹介されていない。家族は夫と娘2人。
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●話題の新刊(日本編)●「ファーブルの夏ものがたり−『昆虫記』の誕生−」
マーガレット・J・アンダーソン作 千葉茂樹訳
くもん出版 本体1300円 98.7.6発行
ファーブルの息子で10歳のポールを主人公にすえ、息子の視点から『昆虫記』の有名なエピソードを語り直すという、ユニークな作品。やさしい言葉で、ファーブルの根気強い観察や、創意工夫に満ちた実験の数々、神秘的な虫の生態などがつづられている。元気で親しみにあふれた、ポールの語り口もとても印象的だ。
訳者の千葉氏は、数年前にたまたま『昆虫記』を完訳版で読破していたとのこと。
そんな努力が呼び寄せた仕事だったのかもしれない。すでに増刷も決まったという好評の本書、『昆虫記』への入門書としても役立ちそうだ。夏休み中の小中学生にもおすすめしたい1冊。(内藤文子)
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千葉茂樹:出版社で児童書の編集を経た後、英米作品の翻訳に従事。訳書に『ちいさな労働者』(あすなろ書房)、『木』(小学館)、『心は高原に』(小峰書店)、『みどりの船』(あかね書房)などがある。北海道在住。
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●話題の新刊(米国編)● Paul Fleischman "Whirligig" Holt 133pp. 5/98
〜 ポール・フライシュマン作
『風車(かざぐるま)』(仮題) 〜
ISBN 0-8050-5582-7 (Intermediate, Older)
16歳の少年ブレント(Brent)は、クラスメートにいじめられて自殺を図るが、誤って事故を起こし、見知らぬ17歳の女の子を死なせてしまう。裕福な両親が弁護士やカウンセラーを手配してくれたおかげで最悪の状況はまぬがれるが、ブレント自身は自分の犯した罪を何とかしてつぐないたいと、苦しんでいた。
そんなとき、亡くなった女の子の母親が、「娘の記念碑として、4つの風車(whir-ligig)を作り、それをアメリカの四隅に建ててほしい」とブレントに頼む。ブレントはこれを受け入れ、贖罪の旅に出かける。何人かの視点から語られる物語を通じて、ブレントのつぐないと成長、旅先で知り合った人々との交流、「風車」がその人たちにもたらす思いがけぬ出会いや励ましなどを描く。(Horn Book 98年7/8月号より)
◎ポール・フライシュマンの作品では、『種をまく人』(Seed Folks)(片岡しのぶ訳あすなろ書房 1200円 98.7)が、つい最近日本で出版された。こちらはスラムの片隅で起きた小さな奇跡を、何人もの人々の一人称でつづるしみじみとした物語。手法やテーマの上で、今度の"Whirligig"とも通じるものがありそうだ。『種をまく人』に感動した人は、新作にも注目してみてはいかがだろうか。
(内藤文子)
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ポール・フライシュマン:1952年、アメリカ・カリフォルニア州モンテレイ生まれ。
1989年に"Joyful Noise : Poems for Two Voices"(未訳)でニューベリー賞受賞。
邦訳に『半月館のひみつ』、『わたしの生まれた部屋』(いずれも偕成社)がある。
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●特別企画●山形県遊学館「外国絵本翻訳コンクール」徹底研究
絵本翻訳家をめざす者にとって、すっかりお馴染みになった遊学館の絵本翻訳コンクール。今年も9月30日の締切に向けて、多くの人が頑張っていることだろう。そこで今回は、97年の課題作"The Perfect Present"を例に、コンクール攻略法について
考えてみることにした。
1. 作品の全体像をとらえよう
絵本を訳すためには、まずその作品が持つ全体の雰囲気をとらえなければならない。
絵の感じ、文のリズム、ストーリーの流れ、主人公の性格など、絵を見ながら本文を何度も声に出して読み、その作品に対する自分なりのイメージを作り上げることが大切だ。
"The Perfect Present"は、ウサギのジャックが、おもちゃ屋から逃げ出したカンガルーのぬいぐるみ(恋人のジンジャーのクリスマス・プレゼント用に買ったもの)を追いかけるという単純なストーリー。飛び跳ねながら逃げていく小さなカンガルーを何度もつかまえそこねるジャックの姿が実にユーモラスに描かれている。色調も明るく、おもちゃや動物もたくさん登場するので、幼い子どもたちは大喜びするだろう。
文字の量が少なく、同じシーンの繰り返しが多く、ハッピーエンドで終わる、楽しい雰囲気いっぱいのこの作品は、就学前から小学校低学年向きの作品だといえる。
2. 雰囲気に合った訳語を探そう
作品の全体像をとらえたら、いよいよ翻訳に挑戦。自分の中で出来上がったイメージをそのまま訳語にも反映させなければならない。ひとつひとつの単語の訳はもちろん、漢字を使用するかしないか、「ですます体」にするか「である体」にするかも重要なポイントになってくる。
"The Perfect Present"は、1でも述べたように低学年向きの作品であり、全体的に弾むような楽しい雰囲気が漂っている。漢字は使用せず、「ですます体」で、擬音語や擬態語を使った躍動感のある訳を目指すのがいいだろう(ただし、擬音語・擬態語の多用は作品を軽薄にしてしまう場合があるので注意)。
訳すときにもうひとつ注意しなければならないのは、作品のキーワードだ。絵本には、作品にとって重要な意味を持つキーワードがあることが多く、その場合、作品全体を生かすも殺すもそのキーワード次第になることが往々にしてある。"The Perfect Present"の場合は、題名にもなっており、文中にも何度も登場するこの"the
perfect present"という言葉がもちろんキーワードになる。最初から最後まで同じ訳語で通す方法と、場所によってテイストは変えずに訳語をアレンジする方法があるが、どの場面においてもその訳語がぴったりはまるようにしなければならない。また、主人公のジャックがカンガルーをつかまえそこねる繰り返しのシーンの訳も、重要なポイントのひとつになるだろう。
3. 徹底的に推敲しよう
推敲には三段階で臨むことをお勧めする。
1) 誤訳がないかチェックする
2) 絵の流れと文の流れが合っているかチェックする
3) 訳が原文と離れすぎず、同時に日本語として自然かをチェックする
コンクールの上位へ生き残るためには、誤訳がないことが基本中の基本。さらにページからページへのつながりがスムーズで、文と絵が一体となっていること、読んだときに日本語として自然であり、間合いを含め、きちんとしたリズムがあることも必要だ。
また、読んだときの息継ぎによって句読点の位置が変わってくるので、推敲をワープロ等の画面だけでするのは危険である。紙にプリントしたものを声に出して読んだり、訳文を絵本に張りつけて絵といっしょに見たりするといいだろう。また、自分の訳を客観的に見るという点から、見直す際にしばらく時間をおく、他人に訳文を読んでもらう、子どもに読み聞かせてみるといった方法も有効である。
4. 余裕をもって応募しよう
簡単なようで案外抜けてしまうのが、応募要項をきちんと確認することである。応募要項を守らないと、それだけで審査対象から外されてしまうこともあるので必ず確認しよう。締め切り直前まで推敲を重ねる場合は特に、プリンターの予備インクや用紙の準備をしておくことも大切である。
特に確認したいのは以下の3点。
1) 締切日(消印有効かどうかも含めて)
2) 原稿の書き方(用紙の大きさや字数)
3) 応募先(住所や宛て名が間違っていないかどうか)
5. 傾向を知ろう(番外編)
コンクールの審査員の作品や過去の受賞作を読むことで、そのコンクールに好まれそうな訳文の傾向をつかむことも、決して無駄なことではない。参考までに、今年の審査員と、過去の受賞作を紹介しよう。
審査員:掛川恭子、金山等、神宮輝夫、吉田新一
受賞作:『はじめてのふゆ』(ふなとよしこ訳 ほるぷ出版)
『かげはぜったいとれない』(レヴィン幸子訳 新世界研究所)
『ぼうしをつかまえて』(はしもとみほ訳 ほるぷ出版)
『リトル・ムーン』(ながのゆうこ訳 ほるぷ出版)
『きつきつぎゅうぎゅう』(ながくぼれいこ訳 ほるぷ出版)
『パンケーキにのっけたバターみたい』(わかまつゆうこ訳 ほるぷ出版)
『おじいさんのえんぴつ』(黒沢優子訳 金の星社)
『あっ、あぶない』(オーシロ笑美訳 ほるぷ出版)
〜最後に〜
これまで「コンクール攻略法」という観点から様々なことを述べてきたが、絵本翻訳の一番の上達法は、なんといっても、数多くの絵本を普段から読むことだろう。毎年数千件の応募があるという遊学館の絵本コンクール。その中で審査員の目を引くのは、やはり、独自の絵本観を持っている人の訳文なのではないだろうか。
(協力:東京翻訳研修会絵本研究部 田中亜希子)
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東京翻訳研修会絵本研究部:小野仙内氏を中心とする児童書研究グループ。絵本の翻訳勉強会、絵本論の読書会、コンクールの研究など、さまざまな活動を行っている。
参加者は現在約10名。
小野仙内:NIFTY SERVE 翻訳フォーラム・マネージャー、東京翻訳研修会代表。
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▽☆▽☆▽☆ 「東京翻訳研修会」で児童文学翻訳の勉強を ☆▽☆▽☆▽
児童文学翻訳の自主勉強会です。2学期は、山形県遊学館の外国絵本コンクール課題図書の検討を行います。
※98年度2学期の開催スケジュール
9/5(土) 9/19(土) 10/3(土) 10/24(土) 11/7(土) 11/14(土)
時間:10:00-11:55a.m.
参加費:1回1000円(参加する回だけ支払) 定員:15名(現在10名)
場所:東京の早稲田大学のそばにある早稲田セミナーハウス
参加資格:英米児童文学の翻訳の勉強をまじめにやりたい女性
▽☆▽ 一番サイト http://www.tt.rim.or.jp/~shangcun/translator.html ▽☆▽
▽ 二番サイト http://biz.nifty.ne.jp/honyaku/ ▽
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●コンテスト・トライアル情報●夏は絵本翻訳コンテストの季節!
◎バベル・プレス「第7回絵本コンテスト」−−絵本翻訳
課題:"Gabriella's Song" by Candace Fleming / Giselle Potter
締切:1998年8月末日(消印有効)
応募:雑誌『翻訳の世界』の98年8月号、9月号に応募要項・申し込み用紙あり
☆翻訳の世界「翻訳 Diploma コース」−−絵本レジュメと翻訳
課題:"Little Red Monkey" by Jonathan London / Frank Remkiewicz
締切:98年8月29日(必着)
応募:雑誌『翻訳の世界』の98年8月号に応募要項あり
◎新世研「第6回英米出版社絵本翻訳コンクール」−−絵本翻訳
課題:"The Valentine Bears" by Eve Bunting / Jan Brett など全6作品
締切、応募については、新世研のホームページを確認のこと
http://www.dtinet.or.jp/~ehon/ec/contest.html
◎山形県遊学館「外国絵本翻訳コンクール」−−絵本翻訳
課題:"Pushkin Meets the Bundle" by Harriet M. Ziefert / Donald Saaf
"When I Was Little Like You" by Paton Walsh / Stephen Lambert
締切:1998年9月30日(消印有効)
応募:課題絵本(書店で販売)に添付されている応募要項あり
◎いたばし「国際絵本翻訳大賞」−−絵本翻訳
課題:"The First Red Maple Leaf" by Ludmila Zeman
"IL PAESE DEI SILENZI" by Sandra Bersanetti(イタリア語)
締切:1998年11月30日(必着)
応募:事務局へ問い合わせのこと(03-3265-7691)
◎FMC「新人翻訳家コンテスト イギリス絵本」−−絵本翻訳
課題:"The Midnight Feast" by Lindsay Camp / Tony Ross
締切、応募等の詳細は未定
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●注目の記事●『本の雑誌』98年8月号:年齢を問わず楽しめる冒険ファンタジー
今、英米で最も人気のある児童文学作家といえば、フィリップ・プルマンだといっても過言ではない。1995年に、イギリスの二大児童文学賞、カーネギー賞とガーディアン賞の両方を受賞した"The Golden Compass"(英国版原題"Northern Lights")が現在もベストセラーを続け、児童書専門書評誌でも好評を博している。トールキンやレングルなどの古典的ファンタジー作品と並び、これからも定番として読み継がれていくであろう名作、といわれている。
この"The Golden Compass"は、"His Dark Materials" 3部作の1作目で、2作目の"The Subtle Knife"も英米でベストセラーとなり、現在3作目の完成が待たれている。
その他にも、1996年にカーネギー賞候補となった"Clockwork or All Wound Up"や、"The Firework- Maker's Daughter"、"Shadow in
the North"など10作以上発表しており、それぞれ高い評価を受けている。
そのプルマンの作品が、この度ようやく日本でも紹介されることになった。『本の雑誌』98年8月号によると、"The Golden Compass"が大久保寛氏の訳で新潮社から出版予定だという! もともと大久保氏は、クーンツやジェームズ・リー・バーグなどのミステリーやハードボイルドの翻訳を多く手がけていた翻訳家だ。しかし、記事の中で大久保氏は、子どもの頃に読まなかった反動か、最近になってやたらと児童文学がおもしろく感じられるようになってきた、と述べている。そんな時にこの「とびきりおもしろい」物語の翻訳を引き受けることになり、本人も「ほんとにラッキーとしかいいようがない」と大喜び。今回の本の直前に訳していた軍事サスペンスとのギャップに戸惑いながらも、初めての児童文学翻訳を楽しんでいる大久保氏の姿がこの記事からうかがえる。テンポのよいぴりりとした翻訳で、プルマンの名作を読める日は近い!(森久里子)
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●編集後記●翻訳家を目指して早5年。気がつけば、翻訳ではなく雑誌やメールマガジンの編集をしているワタシ(笑)。でも、こうして情報を集めたり、記事を書いたり、編集したりするのもとても勉強になります。いつかきっと翻訳家になってやる〜!
みなさん、いっしょにがんばりましょう。ご意見・ご感想もお待ちしています。(み)
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発行人 小野仙内(東京翻訳研修会代表 TBE00357@nifty.ne.jp)
編集人 宮坂宏美(VES00643@nifty.ne.jp)
企 画 あこ、河まこ、キャトル、くるり、BUN、ベス、YUU、ワラビ
協 力 やまねこ翻訳クラブ
(http://www.nifty.ne.jp/forum/fhonyaku/yamaneko/)
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■ご意見・ご感想・ご要望は、VES00643@nifty.ne.jp(宮坂)までお寄せください■
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