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昨年十二月で、出版した本も二五〇冊余になり、ふと気がつくと、動物がいっぱい! 全体の約三分の一が、動物に関する本です。科学読み物や科学絵本は出版していませんから、すべて「お話」の主人公たち。一番登場回数が多いのは何か気になって、拾ってみました。結果を多い順に書き出してみると(数字は児童文学と絵本の合計冊数、脇役の登場動物、ぬいぐるみはのぞく)…。 【ねこ・十三冊】【魚類等・十一冊】【犬・八冊】【ねずみ・八冊】【鳥・六冊】【くま・四冊】【ぶた・三冊】【霊長類・三冊】【ドラゴン・三冊】【きょうりゅう・三冊】【ろば・二冊】【きつね・二冊】【ライオン・二冊】【ゾウ・ニ冊】【おおかみ・二冊】【シマウマ・二冊】【うし・二冊】【ワニ・二冊】【しか・一冊】【かめ・一冊】【コウモリ・一冊】【虫・一冊】【ビーバー・一冊】【ハムスター・一冊】【うさぎ・一冊】【パンダ・一冊】【カエル・一冊】 けっこう意外な結果でした。数える前の予想では、ねずみが一番、くまが二番、ねこが三番目ぐらいかな? と思っていたのです。なにしろ、前に子どもの本だよりにも書いたとおり、いつもいつもねずみの本を編集しているような気がしているからです。(でもまあ、主要な登場動物の実数を数えると、ねずみが一番かも。だって、猫や犬はたいてい一冊に一匹しか出てこないけれど、ねずみはいつも集団として描かれていますから一冊あたり、何十匹も出てくるのです。たとえばレッドウォール伝説一冊だけでも、堂々一位に輝くのはまちがいなしです!)くまについては、ぬいぐるみのくまを入れれば、もう少し数が増えたでしょう。ねこは、想像力をかきたてられるキャラクターのせいか児童文学によく出てきます。逆に、犬は絵本の主人公に多いようです。魚類が多いのは、村上康成さんのヤマメの絵本がたくさんあるからと思いきや、十一冊中五冊だけ。あとは、たこだったり、カサゴだったり…。意外に多いのが、鳥。くまやきょうりゅうを抜いて六冊もあります。 前に、子どもの本に出てくる登場動物の数は子どもの好みを反映しており、一番多いのは、くま、つぎがうさぎ、そのあとは、ねこや犬が続く…という話を聞いたことがあります。欧米の子どもたちは全員といっていいほど、子どものころにくまのぬいぐるみを持っていますから、登場動物として身近にあつかわれるのも納得。そういえば、国によっても、登場する動物に傾向があるような気がします。たとえばドイツでは、ブタは幸福を運んでくる動物としてありがたがられているからなのでしょうが、ブタの主人公が他国より圧倒的に多いし、イギリスの本には羊が出てくることが多い。それに、アヒルやカモも身近なのでしょうか、たくさん登場します。 ところで、徳間の本の登場動物たちは、ごらんのとおり種類が豊富。バラエティに富んだ登場動物たちで、実際に動物園を作ってみたら、面白いでしょうね。爬虫類館あり、水族館あり、恐竜館あり…。そのうち、余裕ができたら、バーチャル動物園でも作ってみようかしらん。 徳間書店子どもの本だより2002.1/2 テキストファイル化富田真珠子 |
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