先日私が今図書室を手伝ってる小学校でこういうことがあったそうだ・・・。以下伝聞・・・。
 小学校一年生の女の子がクラスメートの子のほっぺたをイーッとつねったので、もちろんその子は泣いて先生に訴えにきた。
 で、相手の子にきいてみると、私はつねってない、といいはるので、どうやったの?ときいたら、こうやってイーッとしただけだ、と自分のほおをつねってみせたので、つねってるじゃない、といったら、こういうのはつねるっていわない、というのだそうだ。
 で、だれがそういったの?ときいたらお母さん・・・という返事で、こういうのをつねるっていうんだよ、といったらかなりショックを受けた様子で、知らなかった・・・とつぶやいたそうだ。
 こういうことされたら自分も痛いでしょう、だったらほかの人も痛いんだよ、というと、わかった・・・といったそうだが、これくらい子ども自身が、自分は虐待されている、ということを理解することは難しいことなのだ。
 子どもをだますのは簡単である。
 子ども用のやりかたを知っている人なら――。
 その母親は、それまでも子どもをつねっておきながら、これはつねったとはいわないと、と自分と子供にいっていたのだろう。
 図書室にいると、ときどきそういう片鱗が見えてぎょっとすることがある。
 さて、どうしたもんでしょうかねえ・・・。(赤木かん子)1999/10