アニ―とおばあちゃん

ミスカ・マイノルズ・文 ピーター・パーノール・絵
北面ジョーンズ和子・訳 あすなろ書房

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 アメリカ西部の砂漠には、インディアンのナバホ族の村があり、アニトは両親と年老いたおばあちゃんと四人で住んでいました。
 アニーにとって、一番の楽しみは毎晩おばあちゃんが話してくれる昔話を聞くことでした。
 ある日、アニーはおばあちゃんが「今織っているじゅうたんができあがるころには、わたしは、母なる大地に帰っていく」と話すのを聞いてショックを受けます。
 じゅうたんを織るのを邪魔するいい方法はないかと考えますが、おばあちゃんと向き合う中で、死という自然の摂理(せつり)を受け入れる気持ちになります。
 大地と共に生きるナバホ族の生活の中で、少女にとってはじめての身近な死を通した心の成長を、白黒主体のエッチングで淡々と語りかけています。
 地味な装丁と重い内容でちょっととっつきの悪い絵本ですが読後感はさわやかで、読んでほしい一冊です。
 
(安)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化山口雅子