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「マザーグースを読んでみたいのだが、どんながお勧めかしら?」と考えておられる方。お勧めの本があります。それがこの本、「英語で読もう Mother Goose」。 この本には、数多くあるマザーグースの中から選ばれた56編の歌が、6つのセクションに分けて収録されている。原則として見開き2ページに1つの歌が載っているので、生徒にも紹介しやすいだろう。語句の注、解説、訳文、そして18世紀から20世紀初頭にかけての美しいイラストも納められている。 マザーグースを1冊の本にまとめるとき、アルファベット順などさまざまな配列方法があるが、この本は「暗記のしやすさ」という観点で配列されている。行数と内容が簡単なものから複雑なものへと順になるように配慮されているのだ。 各セクションを順に紹介する。 §T 人気ライムのトップ・テン §U 調子の良いライム §V 優しさのライム §W 人気キャラクター ベスト・テン §X 何かが起こるライム §Y なが〜いライム リズミカルな歌が集められている§Uでは、すべての歌に音節ごとの強弱記号や脚韻の印などがついており、リズム指導の手助けとなる。 著者は日本でのマザーグース研究の第一人者である。解説はイギリスの歴史から朝鮮の童謡や日本の竹久夢二まで広範囲に渡っており、私たちのマザーグースの知識がいかに浅はかであったかということに気付かせてくれる。 あえて難を言えば、付属のテープがないということであろうが、本の中には「Mother Gooseを聴く」というページがあり、現在入手可能な8種のすぐれた音声資料(テープなど)が紹介されている。ほとんどのマザーグースの歌にはメロディーがある。ぜひ歌を聴いていただきたいと思う。(鳥山淳子)
『新英語教育』 1995年4月号
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