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主人公の男の子、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーが、おべんきょうしに、テクテクでかける。ところが、途中でワニやライオンや高潮があわられて、遅刻してしまう。先生は遅刻した理由を信じてくれず、罰を言い渡される。その罰が、三百回も字を書かされたり、四百回も大きな声で「うそはつきません」と言わされる。しかし、ある日、途中何ひとつ起こらず、間に合った。ところが、先生が毛むくじゃらのゴリラに捕まってしまう。−さて、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、いったいどうするでしょう。 こどもを信じないで、たくさんの罰を与えた先生がどうなるか? 結末は、思わず吹き出してしまう楽しい絵本です。 そして、その笑いを自分に置き換えると、心がチクリと痛みます。親は、こどもを真から信じようとせず、こどもの大切なものを傷つけたり、摘み取ったりしてはいないだろうか、と・・・・。 ジョン・バーニンガムの絵と、詩人の谷川俊太郎の訳がピタリと合い、読む人にほのぼのとした印象を与える本です。(やどかり)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化清水真保
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