おばけ、まほうにかかる

ジャック・デュケノワさく
おおさわあきら訳 ほるぷ出版 2000

           
         
         
         
         
         
         
    
「かわいいけれど、くせもある〜フランスの人気絵本登場!〜」
 フランスの絵本って、独特の雰囲気があります。ユーモアがあって、おしゃれで、ちょっぴり毒もある。ほら、タンタンやババール、三つ子ちゃん、それからショウボー氏やアンドレ・フランソワの絵本を見て下さい。そのなかに、新たな人気者が登場しました。
 ごちそうたべて、からだの色がかわっちゃう『おばけパーティ』(ほるぷ出版)で子ども達に大人気となったデュケノワのなかよしおばけシリーズの5冊目です。今回はおてんばな女の子おばけが魔法にかかって、魔女のえじきになってしまいそう、いったいどうなるの?という話を絶妙なコマ割りで描き出しています。不気味だけれどなんだかおかしな魔女と心配する仲間のおばけ達。ねむったまま、とことこ歩くカボチャ畑のシーンは必見。じっくり読めば、絵がいろんなサブ・ストーリーを教えてくれることでしょう。それが絵本を読む大きな愉しみの一つです。大人には、そこんとこ、苦手な人が多いけど、子どもはとっても得意です。だから、この作家は人気があるんだよ。
 女の子おばけは、どうやって魔女から逃れたのか? それは、小さなともだちの活躍でした。この、ちいさなってところが、また、子ども心をくすぐるのよね。(細江 幸世)