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これはひさかたぶりのヒット! です……いいよ〜。 そう、老人の出てくる絵本には、いいのが多いんだよね〜。といっても逆はまた真ならずで、じいさんばあさんさえ出せば、いい本になる、とは限らないです。あたりまえだけど。 この本は、表紙を見ただけで、おっ、こいつは期待できそう……って思えちゃう絵なんだけど、絵描きさんを見たら、なんと粋人スティーブンソンさんでした。まだ日本じゃ知名度は低いですが、もしかしてこの人ので訳された本は、みーんなこの本に入ったんじゃないかなあ……というぐらい、腕のよい人です。で、読んでみたら、大当たり〜! これはジョージア州でお百姓をしてるおじいちゃんと、夏休みに遊びにきた孫娘の物語です。 ようするにこの二人は気があったんです。愛しあって,お互いになくてはならない相手になれたんですが、それってどうしてかというとおじちゃんの人間性ね。このおじいちゃん、包容力があるのよ。そうしてこの孫娘だって、いわれなくたって人の気持ちっていうのを深いところで理解できる力をもってるんだよね。 で、このひと夏を一緒に過ごせたおかげで、二人はこのあとくるつらい試練──おじいちゃんが年をとりすぎたためにジョージアの家から都会の女の子の家へやってくる──を乗り越えるんです。ねえ、これはホントに試練だよ。一人の人間の幸福を完全にうち砕く力を持ってるんだから。 ひとかけらの偽善も欺瞞もなくそれを乗り越えさせる物語を描けるって……凄いよね。 『おじいちゃんの家』というのもありますが、そっちも素晴らしい絵本です。(赤木かん子)
『絵本・子どもの本 総解説』(第四版 自由国民社 2000)
テキストファイル化安田夏菜 |
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