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佐野洋子の初期の頃の本です。というわけで、かどうかはわかりませんが、彼女独特の底意地悪さも皮肉っぽさも、それほどじゃありません。せいぜいかさをぬらすのがいやで、どんなに雨が降ってもかさを広げないおじさんが出てくるくらいです。だけどおじさんは、 "あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン" という子どものうたをきいて、ほんとかな、と思って、 "とうとうおじさんは かさをひらいていしまいました" なのよね〜。 これは使えます、というかこの本をよんだあと雨降りの日は、とうぶん"あめがふったら ポンポロロン……"を、かさをさす時には"とうとうおじさんは……"をきかされるのを覚悟したほうがいいでしょう。でも、豊かな情操教育を願うあなた、はそれを止めたりは、致しませんよね?(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』) テキストファイル化天野真美 |
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