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ことしも梅雨の季節がやってきました。 「おじさんのかさ」は、子どもの新鮮な感覚に触発されて、だいじなかさをとうとう開いてしまったおじさんのおはなしです。 おじさんは山高帽に、八字ひげ、黒くて細くぴかぴかのりっぱなかさを、いつもぬらさないように持ち歩く変わった人物です。 小雨の時はぬれたままあるき、中降りの時は雨やどり、大降りの時は「しつれい、そこまでいれてください」と知らない人のかさに入ります。 でも、子どもたちのうたう「あめがふったらポンポロロン」「あめがふったらピッチャンチャン」のリズムに誘われて、とうとう自分でかさをひらきます。大小、色とりどりのかさの流れの中に入ってしまいます。 風がわりな子どもっぽい行動は、じつはだれもが持っているのかもしれません。 水色ににじむ雨の日の情緒、はずんだ歌声が画面を明るくいきいきしたものにしています。 (安)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化山本京子
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