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三DKに住む家族は、父と母、姉と五年生の圭章(よしあき)です。 圭章は姉と同じ部屋に住んでいました。姉が「自分の部屋がほしい」といいだしたことが引き金となって、圭章は家出を決行しようと考えます。 だれにも気付かれなくて、ぐっすり眠れて、だれも思いつかないようなところ―。 先生や友だちに絶対ばれないこと。学校へはちゃんと行きながら、家出を続けること。 家族にはもちろん捜せない―。 手ぬぐいをしぼるみたいにぎゅうぎゅう頭をひねって、考えついたのが学校。家出三日目に圭章は、心が大きく変革して帰ります。人間はどうして勉強をするのだろう―。 宇野方先生が「ゆうやけ」の例えから、勉強すること、世界が広がっていくことなどを教えてくれます。 圭章は「家に帰ってオレのゆうやけを見つけなければ」と独白します。 冒険とスリルに満ちた物語で、子供は共感しながら、また、批判しながら読むと思います。この作品を通して、価値のある生き方を見つけていくのでしょう。(野)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化山地寿恵
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