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みんなが寝静まったある夜の台所。想像してみてください。しーんとして、物音ひとつしない、そんな夜。「たすけてー!」 冷蔵庫の中から誰かが助けを求めています。テーブルの上にひとつ、ふたつ、緑のあかりがつきました。ぼうやの置き忘れたおもちゃのロボットです。 ぎりぎりぎったん、ぎりぎりぎったん。「だれだあー」。フライパンがさけびました。やっこらさっとゆわかしが立ち上がりました。そして、コップやおさらも出て来ました。 「よーし! 誰だか知らないが助け出そう」 台所中大騒ぎ。そのうち子ども部屋のおもちゃたちも加わって、大救出作戦のはじまりです。 身近な台所をテーマにした、どきどき、はらはらのストーリーで二十年以上のロングセラーを続ける一冊。 台所に行ったら、お湯をわかしてごらんなさい。「しゅんしゅんしゅん」と、ゆわかしが語ってくれるかも知れませんね。(由)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化古賀ひろ子
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