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男の子を描かせたら右に出るもののない、スウェーデンのウルフ・スタルクの短編二つ入りの可愛い小型の本です。 スタルクのものはたいてい自伝っぽくて、主人公の名もウルフ・・・・・・だったりするんだけど、これもそう。 それも、最初のほうはウルフの最後の子ども時代の一年───まだまだ子どもっぽいなかに、初めて文章をつくることを意識した作家一年目、の日々を───次の短編は、いきなり神経質になり、年上のお姉さんに恋をし、自分の精神が急激に成長していくのにとまどう少年一年目の日々を───という凝ったつくりになっています。 いや、うまい・・・・・・としかいいようがない。うなるしかないよ、こんなの書かれたら・・・・・・。 でも本当に、よく覚えてる、というか、再現できる、というか創造できる、というか・・・・・・。この年頃の少年たちとつきあわなきゃならない人は絶対読んどいたほうがいい本です。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』) テキストファイル化 角田佳代子 |
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