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赤ちゃんが身近にいる人から、「この本、うちの子(または孫)が、とってもよろこんだのよ〜。他にも、いい本ない?」と言われることがしばしばあります。難しいといわれる「赤ちゃん絵本」選びですが、今回は、こういう体験に裏付けられた人気の赤ちゃん絵本をご紹介します。 まずは『かわいいあひるのあかちゃん』は、アメリカで十年ほどまえに出版されて以来、ロングセラーとして愛されている作品。日本でも、赤ちゃんから3歳ぐらいまでの子どもたちに絶大な人気を誇っています。アヒルの赤ちゃんたちが、ぴよぴよとお庭を散歩する様子をリズミカルな文章と明るいハッキリとした絵で描いたシンプルさが魅力的。子どもたちは、小さく書き込まれたてんとう虫やかたつむりをじーっと見つめたり、アヒルの赤ちゃんといっしょにおしりをぴこぴこうごかしたり。 アメリカでは、絵本にでてくるアヒルのおもちゃ(お風呂で遊べるゴムのアヒル)付きのミニ絵本バージョンもあるほどです。(残念ながら日本版はありません)。 おつぎは、フィンランドの赤ちゃん、トンパちゃんの絵本二冊。(『うちのあかちゃん、トンパちゃん』『げんきかな、トンパちゃん』)。赤ちゃんは赤ちゃんに興味があるのでしょう、読んでもらった子どもはみんな、お風呂に入れてもらったり、はだかんぼうでハイハイしたりするトンパちゃんにじーっと見入るそうです。一方、読んであげた大人の方は、トンパちゃんがもっているおもちゃの「くにゃくにゃマッティ」がどうしたら手にはいるかに興味が向くようです。(フィンランドの出版社に問い合わせたところ、残念ながらこのおもちゃは売っているものではなく作者が作ったものだと思うとのことでした。) そして、もう一冊『おかあさんといっしょに』。ページを開くたびにいろんな動物の親子が出てきます。おかあさんといっしょにぴょんとはねたり、空を飛んだり。そういえば、ヨーロッパに行ったとき、ポスター屋さんの子ども部屋コーナーで、この絵本の大きなポスターが売っていましたっけ! どれも赤ちゃんに人気の絵本。時に赤ちゃんと一緒に絵本を楽しんでみてください。 『かわいいあひるのあかちゃん』モニカ・ウェリントン作/たがきょうこ訳 『うちのあかちゃんトンパちゃん』『げんきかなトンパちゃん』クリスティーナ・ロウヒ作、絵/坂井玲子訳 『おかあさんといっしょに』クリストファー・ガンソンさく、え/おびかゆうこやく
徳間書店「子どもの本だより」1999年9月/10月号
テキストファイル化富田真珠子 |
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