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センセーショナルな書名ですが、ゴキブリの本ではありません。 あのコンスタンチン君のやけど治療に大活躍した人工皮ふベスキチンWの誕生物語なのです。 ベスキチンWは、従来使われてきたコラーゲンやブタ皮などの人工皮ふに比べ、皮ふの再生が早く、治療跡が美しく、その上治療中の痛みが少ないという、まさに画期的な人工皮ふです。 原料はカニのカラ。カラに含まれるキチンという成分をとり出して作ります。 ところでキチンは、カニ以外にも、エビや昆虫にも含まれ、特にゴキブリやトンボの羽は、純度の高いキチンでできています。実用化されているのはカニガラばかりです。人工皮ふになりうるということは、つまり人間の体と共通する素材でできているということなんですね。 ゴキブリも人間とどこかでつながっている! 著者の木船紘爾(こうじ)さんは、ベスキチンWの生みの親。研究の苦労、喜びが生き生きと伝わってきます。
(池)=静岡子どもの本を読む会
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