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こぶたのプーは、でぶです。従って走ることや運動すること・・・・・・運動会なんかは苦手です。たぶんプーは人間でいえば小学校の一年生か二年生くらいで・・・・・・でもこの本には、がんばればなんとかなる・・・・・・とか、努力することが大事なんだ・・・・・・なーんていうおためごかし、偽善、欺瞞、は一切ありません。 だから凄いんです。だって小さい子にもわかるように、偽善的ではないストーリーを、試しに自分で書いてみようと思ってごらんなさい───絶句もんでしょう? とにかくプーは体育の時間はキライでした。その時は旗とりゲームをやていて、ゲームそのものはおもしろいのですが、ドタドタしか走れないプーには、苦痛だったわけです。 覚えがあるかたもいっぱい、いらっしゃると思いますけど───。 でも本当はゲームというのは、下手でもおもしろいはずのものです。 それにプーだって本当はゲームに参加したかった・・・・・・でも、できないものはつまんない、でしょう? ところが仲良しのラクーンがね、あんたが旗をとってくるのよ、とささやいたんです。このラクーンがいいんだ。お人好しでひっこみじあんのプーが、でも負けたらどうする? というと、平気よ、こんなの、ただの遊びなんだから・・・・・・と平然と答えるのよ。 で、最終的にプーは勝つんだけどね、私、このプーって好きだな。買ってもうぬぼれたりしないで、いやあ、百万年たったって、もうあんなことはできないよっていう子なんですから。ゲームって、勝っても負けてもおもしろいものなんだよね、心と体が解放されてれば───。 体育の時間が苦手だった人、現在苦手な人にお薦めします。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』) テキストファイル化 角田佳代子 |
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