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ふくろねずみの女の子、ジェラルディンは、 「女らしくなるよ」とお父さんにいわれ「しとやかになれるわ」とお母さんにいわれ、バレエ教室に通い始めます。 でも、結局ジェラルディンが悟ったのは、 「あたしはそんなにいいバレリーナじゃない」ってこと──。 ジェラルディンは、はたおり教室にも彫刻学校にも行きますが、やはり結果は、う〜ん……。 でも、がっかりしてるジェラルディンに、弟のランドルフは、 「でも、ジェラルディンはお手玉はすごく上手じゃないか」といってくれます。 「だれにも教わらなかったのに」ってね。 自分がやりたくないことはやりたくない! むいてないものは、誰がなんといおうと、むいてないのよ、ときっぱりお父さんやお母さんにいえるだけしっかりしてるジェラルディンだって、やっぱりやってみて、できなかったってことは悲しいわけです。 このラストがどうなったか、それは読んでのお楽しみですが、お稽古ごとがとっても流行っているいまの日本には、かなり皮肉な結末といえるでしょう。 願わくば、日本の子どもたちがジェラルディンのように、イヤなものはイヤ! とはっきりいえるだけ強くなってくれますように──。そうして、日本の親たちも、このジェラルディンをお気に召して下さいますように──。なぜなら、個性的で子どもらしく、自己主張がはっきりできる子、というのはジェラルディンのような子のことなんですから。(赤木かん子)
『絵本・子どもの本 総解説』(第四版 自由国民社 2000)
テキストファイル化安田夏菜
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