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八年前、月刊「年少版こどものとも」で出された、知る人ぞ知る名作が、ハードカバーになって再登場しました。 扉を開けると、クレヨンで赤い丸が描かれ、右の白いページに「これは おひさま」。それから、ページを繰るごとに「これは おひさまの したの むぎばたけ」「これは おひさまの したの むぎばたけで とれた こむぎ」と、どんどん増えてつながります。おしまいには、また「おひさま」に戻って、円鐶(かん)を閉じます。 マザーグースの「これはジャックのたてた家」のような積み上げ歌と呼ばれる形式ですが、このように元に戻る形は珍しく、開放感と安定感の両方を備えた素晴らしい詩になっています。 子供たちは、この詩のリズムのよさと明快な絵に、とても喜びます。お話し会で、この絵本を言葉遊びとして使うと、次には何が出て来るかなと、めくるごとにワッと沸き、高学年の子供たちまで、大いに楽しんでくれます。 絵本というものは、読んでもらって、その声(文)を聞きながら絵を見て、ひとつのイメージをつくり上げていくものです。ことに、この絵本は日本語の語感とリズムが大きな魅力ですから、必ず声に出して読んであげて下さい。お母さんと子供とで、一緒になって唱えられる大好きな詩となること、請け合いです。幼児から。 （静岡子どもの本を読む会）
テキストファイル化佐藤佳世
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