|
マインダード・ディヤングという人は、オランダ生まれのアメリカ人農場と生き物が好きで、かつ、彼の書くものは、ほとんどすべて、といっていいほど感受性の強い男の子が主人公の物語です。 一番有名なのは『コウノトリと六人の子どもたち』(岩波書店)でしょうか、そしてこの本は私の愛読書の一つですが、いまの子たちに勧めるには古い……かもしれない。 うんと本の好きな子か、本好きな大人には大好きな物語になると思うけど『ぼくの黒うさぎシャデラク』も、誕生日にウサギをもらうことになリ、興奮しきった小さな男の子の一週間を描いたもので、これまた素晴らしい物語ですが、いまとなってはやっぱリ人を選ぶかな。でも本棚には入れといてほしい。雰囲気がよくなるからね。 それに比べれば、もっと幼年向きの『びリっかすの子ねこ』や、この『ジムのおばけキャべツ』などはまだ現役だと思います。 末っ子のジムがもらった畑に、一度は家族全員夢中になって世話をやくけど、すぐに飽きちゃうの…。 ジムはみんなが飽きるのを辛抱強く待って、たった一っ残ったキャべツを丹念に世話し、虫やネズミやモグラの面倒までみて、観察し、みんなが忘れきった頃に、まだ誰も見たことがないような丸々と太ったキャべツを収穫するのです。 薄いけど、大人が読んでも面白いよ。(赤木かん子)
『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 図書館員のカキノタネ パート1』(リブリオ出版 1997/09/20)
|
|