自分の才能は何だろう
−可能性の心理学−

早乙女紀代美:作
ポプラ社

           
         
         
         
         
         
         
    
    

 最初にリード文がある。「できなかったことを教えるより、できたことを数えるほうがいい。才能も可能性もあなたしだい。ほんの少し勇気を出して、今の自分から出発しよう」
 心の相談室や、カウンセラーをしている著者の豊富な経験の中から、いくつかの例を出しながら、わかりやすく書いている。
 生きていれば、だれもが通り抜けていかねばならない思春期、子供から大人に変わる時期がある。自我の発達といって、自分が自分らしくなっていくのに大切な時期である。上手にすごして、今のありのままの自分を見つめるといい。
 人はだれでも、自分が気付かないでいる優れた能力、可能性、才能を自分の中に持っている。著者は能力、可能性、才能は自分で「ある」「ない」と決めつけるものでなく、自分自身の中にあり、自分で発見していくものであると強調する。
 その見つけ方、ふくらませかたがわかると「自分自身が好き」になり、希望や勇気がわいてくると思う。思春期の子供を持つ親にもすすめたい本である。(野)=静岡子どもの本を読む会
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