じゅうにしものがたり

瀬川康男:作
グランまま社

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 年のはじめにふさわしい絵本をお届けしましょう。
 古代中国に始まったという十二支(じゅうにし)、今年は戌(いぬ)年ですね。
 かみさまは、動物たちに一年のはじめの日に集まるようにとおふれをだしました。一番はじめにきたものから十二番目までのものに名誉の職を与えようというのです。
 小さなねずみはどうしたら早く着くことができるか知恵をしぼり、悪戦苦闘して一番乗りをはたします。ねずみの後にはうし、とら、うさぎ、りゅう、へび、うま、ひつじ、さる、にわとり、いぬ、いのししの順に集まりました。
 「おまえたち十二のものどもは、これから一年ずつその年に生まれた人たちが幸福になるように守ってやるがよい」と、かみさまは、命じました。
 そうそう、ねこがいませんね。みんなが集まっていたとき、まだいねむりをしていたようですよ。
 すべてのページは、カラフルで躍動感がいっぱいです。墨、水彩、岩彩、リトグラフによる作品は海外でも高く評価されています。
 (天)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化富田真珠子