新聖書物語

荒井智:著
筑摩書房・ちくま少年図書館59歴史の本

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 またクリスマスがやってきますね。わたしは今まで「キリスト教」や『聖書』には近づいたことはありません。でも、少し関心はあります。それは人間のこころが、とても不思議に思えるからです。なぜ人は真実を求めるのでしょう。正しさを求めるのでしょう。
 “愛”――それはなんですか。
 この『新聖書物語』を読んで改めて“人間の不思議”の意味を考え直すことになりました。
 パリの有名な巨大なノートルダム大聖堂は、今から七百年も前に約二世紀もの年月をかけて完成したそうです。そして日々何千の人びとがこの堂にその悲しみ、喜び、悩み、願いをもって祈りを絶やすことのない歳月を続けているのです。
 『聖書』―バイブル―は、ユダヤ人たちの信仰の記録で始まり、その中からイエス・キリストが出現、新しい宗教の文書が形づくられます。キリスト教はキリスト以前は『旧約聖書』以後を『新約聖書』としました。
 人間の長い歴史と苦しみ、経験の中で生み出されたものだったのです。
 この本は事実と信じられるものをよりどころとして、天地創造の神とは、人格とは、助け合いとは。過去、現在、未来、人間はどうやって生きてき、またこれからどう生きねばならないか。その願いで『聖書』が語られています。ぜび読んでみてください。
 (仁)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化富田真珠子