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「新・地球物語」は『水惑星の生まれたとき』『生命の星・地球のリズム』『宇宙船「地球号」のゆくえ』の三巻からなっているが、これは、四六億歳になった地球の誕生と歴史と現在を最新の科学データをもとに紹介、解説した楽しい試みだ。 NHKで放映された「地球大紀行」の台本を再構成したせいもあるのだろうが、いわゆる自然科学の本と違って各章の作り方がとてもうまい。たとえば第五章の「巨大山脈の誕生」は、まず世界の屋根ヒマラヤの山中でアンモナイトの化石がみつかるというところから始まり、ヒマラヤ山脈が昔は海だったことが紹介され、次は一転して二億年前にはすべての大陸はひとつに集まっていて、それが分裂していき(プレート・テクトニクスについての簡単な注がはいる)、赤道よりはるか南にあったインド大陸がアジア大陸にぶつかり、さらにその下にもぐりこんで、海岸部を八〇〇〇メートルを越える高さにまでもちあげてヒマラヤ山脈を作ってしまう、という物語が語られ、それから大陸移動によるほかの地形変化の例が紹介されるといった構成になっている。 話のもっていきかたもうまいし、ほとんどのページにそえられているカラー写真やコンピュータ・グラフィックも美しく効果的だし、難しい用語の注もわかりやすい。自然科学に興味のない人も、ぜひ一読を。(金原瑞人)
朝日新聞 ヤングアダルト招待席 1989/01/22
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