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丹下左膳。テレビの時代劇ファンのおじいちゃん、おばあちゃんなら、だれでも知っている剣の達人です。じゃ、タンゲくんは? そう、タンゲくんというのは猫なのです。そして「タンゲくん」は猫が主人公の絵本。と言っても、そんじょそこらによくある、「かっわいい!」なんていう種類の絵本とはちょっと違う絵本なのです。 ある日、私の家に、片目がつぶれているけれど立派な猫が、のっそり入ってきて、当たり前のように私のヒザに座り、うちの猫になりました。お父さんがタンゲくんと名付けました。タンゲくんは昼間はどこかに出かけ、たまに道で出会っても知らんぷり。でも夜になると、ちゃんと帰ってきて私の上にとび乗って丸くなります。 近年最もノッている絵本作家のひとり、片山健が、大胆でかつ隅々まで神経の行き届いた絵で、人と猫の生活を生き生きとほほえましく描いていて、思わずにんまりしてしまいます。バイタリティーあふれるタンゲくんは、きっと子どもたちの心にとびこんでくることでしょう。 |
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