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「五味さんは絵本でコンセプチュアル・アートをやってるんだから」と今は亡き絵本作家、木葉井悦子さんが雑誌の対談で、五味さんにエールを送っていたのを思い出す。「らくがき絵本」「質問絵本」(ともにブロンズ新社)のときもそうだった。五味さんの絵本は読み手が直接、本の世界に入っていかないと本自体が成立しない、そういうギリギリのところでできている。今までは<作者からの問いかけ>というかたちで本ができていたけれど、今回のとまとさん、かえるくん、テレビくんの本はちがうよ。本の中から直接とまとさんが「かわいいっていって」とか「うたって」とかいってくるんだから。安穏と「本は本、私は私」と思ってちゃ、太刀打ちできません。小さな声でおざなりにやりすごしていると「もっとおおきなこえで、げんきよくうたって」っていわれるんだよ。そういうの、ちょっとなーという人やびっくり固まっちゃう人もいるかもしれない。でも、そういう自分を発見するのもおもしろいと思うよ。おためしあれ。(細江幸世) |
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