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王さまとお妃さまが日曜日のお茶にぼく≠招待して下さることになりました。 (ぼく≠チてだあれ? とか、どうしてなの? なんて訊かないでね。そういうことはこのご本には書いてないのよ) そこでぼく≠ヘたずねます。 「ともだちつれて よろしいですか」 そうするとお二人は答えるの、 「いいともいいとも。友だちの友だちなら大歓迎だ」ってね──。 でぼく≠ヘ友だちのきりん、を連れていきます。きりんはお茶のテーブルにはいかんせん大きすぎますし、お行儀だって、ちょっと……でしたがお二人はなんにもおっしゃいません。 きりんの次はかば、かばの次はさる、さるの次はぞう……、みんなお茶の席につくには少々問題がありましたが、それでもお二人は心から楽しみ、少しも嫌がったりなどせずぼく≠フ友だちを大歓迎してくれるのです。 気にしているのを我慢するのではなく、初めから気にしない、本当に心から喜んでくれる……なぜって、みかけやお行儀はどうでも、かれらは誠実で心正しい、お二人に紹介して恥ずか しくない友だち≠ネんですから──。 このお二人のように御両親にお子さんを愛して欲しい……そしてお子さんの友だちも……。だって子どもの選んだ友だちを喜んで迎えてあげないってことは、ひいてはその子自身のこと も喜んで迎えてあげていないってことなんですから──。(赤木かん子)
『絵本・子どもの本 総解説』(第四版 自由国民社 2000)
テキストファイル化岡田和子 |
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