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牧野節子は地味だけど、私が好きな書き手の一人である。変な気負いがなくて、子どもの皮膚感覚がわりあいわかっていて、文章がわかりやすい、読みやすい、つまり下手じゃない。「ねえちゃんはプロレスラー」もよかったけど新刊の「とうさんはコケっコかんとく」(国土社)もなかなかいいよ。 うだつのあがらない助監督をやめて、いきなりおいしいニワトリをつくるほうへ走ったとうさんにおいていかれた子の物語・・・。 家庭を支えてるのはしっかり者の母さんで、でも苦しいことがあった時、息子はたよりない父さんに会いに行く・・・。 で、母さん頼られなくてちょっとショックを受けるとこや、でも父さんが送ってくる金をしっかり貯めといて、いつか映画つくらせてやろ、なんて思いつくあたり、この母さんはなかなかの女であり、この三人はお互いに信頼でき、愛し合ってる、安定した家族なのだ。(赤木かん子) |
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