ねえ、どれがいい?

ジョン・八ー二ンガム/作
まつかわまゆみ/訳 評論社

           
         
         
         
         
         
         
     
 一九七八年に描かれてから(日本に訳されたのは一九八三年……だったと思うけど)子どもたちのあいだでは超ロング・べストセラーです。アメリカやイギリスのことは知らないけど、たぶんむこうでもそうだと思うよ。少なくとも日本では、今日はなんとかしてウケたいな、という必死な図書館のお兄さんお姉さんたちの必需品になってるもん。
「もしもだよ、きみんちのまわリが変わるとしたら……大水と、大雪と、ジャングルと……」
「ねえ、どっちがいい?」
 ときいてくるこの絵本、だんだんエスカレートして、くものシチュー、かたつむりのおだんご、へびのジュース…どれならいい? というあたリまでくると、もう子どもは大喜び!
 そうしてさんざん冒険してきたあとは「それとも自分のべッドで眠りたい?」というセリフでやれやれ、これでひと安心……。満ち足りた気分で、寝るか!という気持ちになる、というにくい演出です。
 だけどもし、もしあなたがこの本を凄い、と思えないのなら(別に気に入らなくてもいいんだ。ただ値うちがわかれば)子ども関係には関わらないほうがいいと思うんだ、私はね……。
 子どもは大人よりはるかにエネルギーが大きいから、きっとあなた、つぶされちゃうし、でなかったらあなたのほうが子どもをつぶしにかかって、相手の子はとても苦しい思いをすることになるだろうから-。
 そういう使いかたっていうのもなんだかな〜とも思うけど、そういう意味ではリトマス試験紙のように使える本です、これって-。(赤木かん子)
『絵本・子どもの本 総解説』(第二版 自由国民社 1997/01/20)