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このところ地球にも人間にもやさしい環境をと、今までの発展から一歩立ちどまって眺める状況になってきました。世の中が変ろうとしています。私たちの考え方、生き方は根本的にはずっと昔から続いているように思われていました。ところが、これらほとんどが中世を境にして発生した方法であることをこの本の著者はいろいろな例を出して語っています。中世になり、自然に対する人間の畏(おそ)れがなくなったために、大きく社会が変化しました。女性も平安時代には荘園の所領の処分権がありましたが、中世以降は地位が低下し、同時に表舞台から排除されました。ケガレ問題が生じ、差別もあらわれてきます。このような大きな変化が現在の社会に引きつがれています。歴史をきちんと知ることで私たちの生活を豊かで住みごこちのよい環境に導いてくれると思います。文字の普及と国家のあり方、畏怖(いふ)と賎視(せんし)など、学校の歴史では学ばないことをわかりやすく述べています。参考資料の提示がきちんとされています。
(小)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化山本京子 |
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