のはらうた1、2、3

工藤直子:作
童話屋

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 春・夏・秋・冬と移りゆく季節のにおいを運んでくれる詩集です。生きものがよくって、ユーモラス。草・木・けもの・虫・空・風・雲・海・・・が、名前をもらって登場し、自分の歌をうたいます。
「むぎむぎおんど・・・むぎれんざぶろう
あさひ のぼれば/そよかぜはしる/おいら むぎたちゃ せいぞろい/おう さやさや/えんや それそれ 」
「おれはかまきりかまきりりゅうじおう なつだぜ/おれは げんきだぜ/あまり ちかよるな/おれの こころも かまも/どきどきするほど/ひかってるぜ」
「くらし・・・きりかぶさくぞうわしは/いちにちじゅう/『どっこいしょ』をしている」
 娘が小学一年の時、担任の先生が、教室の子どもたちに「のはらうた」を読んで下さいました。ほたるまどか、たんぽぽはるか、こねずみしゅん、おがわはやと・・・名前が同じと、喜ぶ子が何人もいたそうです。娘はこの時から詩が好きになりました。からだに響くリズムの心地よさ、やさしいことばなのに、イメージがうんとふくらんでいく楽しさを、子どもたちにプレゼントしてくれる詩集です。
(池)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化上久保一志