野うまになったむすめ

ポール・ゴーフル/作
じんぐうてるお/訳 ほるぷ出版 1980

           
         
         
         
         
         
         
    

 これはポール・ゴーフルのアメリカ・インディアン=ネイティブ・アメリカンの絵本の一冊です。日本ではあと2冊訳されてて、とっても3冊ともすっごくいいよ。
ポール・ゴーフルはネイティブ・アメリカンの、人間と動物は同じ、という考え方に魅かれているらしく、3冊ともそれがテーマです。動物、というよりは隣の村の人、みたいなカンジでさ、このお話の娘さんも生まれつき馬が好きで馬が好きで、野原で迷子になった時に野馬のボス(それがまたカッコいいの!)と相思相愛になって、一緒に暮らすようになるというもの。
 もちろん村の人は心配して捜して、見つかった時には大喜びするんだけど、その時、その馬は娘をとられまいとして戦うのね。で、村の男たちはその馬の賢さ、勇敢さに感服するんだけど、娘はとり返してきてしまうわけ。
 で、娘も最初は喜ぶんだけど、そのうち元気がなくなってくる…・。心配する両親に、娘はあの馬と暮らしたら私は幸福になりますっていうのね。そうしたら…・そうしたらよ!
 両親は娘を゛とても大事に思っていたので”―――美しい贈り物をたくさんつけて盛大にお祝いして送り出してくれるの!こういうのを本当の親らしい親っていうと思うんだけど―――。
 だって相手の人格(?)も愛情の深さ(毎日丘まで娘を見にくる)もわかっているんだし、医者の娘でないからダメだなんてたぐいのことは、この親御さんも村の人たちもいわない。そういう話もあるんだからこれはこの人たちの人格的な力よね。
 人と違ったことをしても、その人が幸福かどうかで判断する…・これができれば世界じゅうの不幸の五分の一くらいは不幸じゃなくなるんじゃないか、と思うんですが…・。(赤木かん子

テキストファイル化土屋美知子