ビリケン

いしかわよしき絵・文
新風社 2000

 
〜ゴンタの子どもたちへ。昔ゴンタだった大人たちへ〜「ビリっけつの健太。略してビリケンや!」

 ある日僕のクラスにやってきた転校生は、何と通天閣にまつられてるビリケンさんにそっくりやった。先っちょがとんがったような変な髪型に、ちょっとつり上がったほっそい目といつも笑てるような顔。これから何かおもろいことが起こりそうな予感がするで!(以上帯文より)

 大阪・新世界、通天閣周辺を舞台に、一人の少年と転校生とのゴンタ(大阪弁で悪ガキ、やんちゃ坊主のこと)同志の出会いと友情を、大阪弁を通して、大阪人ならではの感性で描いた物語。
 主人公たちと一緒に思いっきり笑って、一緒に声をあげて応援して、最後に少しだけ胸が熱くなって、読み終わった後に気持ちよくなれる作品です。

 ストーリーを簡単に言うと、じゃりん子チエ風に味付けした、なにわの少年版「シェーン」(往年の名作西部劇映画。ご覧になったことありますか?)です。
 この物語は子どもたちだけでなく、大人たちも子どもの頃の気持ちに戻ってマンガを読む感覚で楽しんでほしいと思います。(いしかわよしき)