ぼくはジョナサン…エイズなの

ジョナサン・スウェイン、シャロン・シーリング・著
山本直英・訳 大月書店

           
         
         
         
         
         
         
    
    



 知り合いの小学四年の女の子は、エイズが自分にうつるのではないかと心配しています。ニュースにエイズがよく登場するし、恐ろしい病気という話が耳に入ってくるからです。でも彼女はエイズがどんな病気なのか知りません。よくわからないけど、こわいのです。
 こんな子どもたちに、この本をおすすめします。
 ジョナサンは未熟児で生まれ、受けた輸血によってエイズに感染した六歳の少年です。エイズであっても、友達や兄さんたちと遊び、母さんに甘え、ペットをかわいがる普通の暮らしをしています。そんなジョナサンの日常生活を写真で追いながら、エイズはどんな病気で、どうしたらうつらないのかを幼い子にもわかるように説明してくれます。
 そして、この本のもっとも大きな魅力は、エイズの人と安心して友達になれることを、読む人の頭と心にしっかり焼きつけてくる点です。
 私自身、この本を読んで気持ちが楽になりました。
 
(池)=静岡子どもの本を読む会
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