ぼくの庭ができたよ

ゲルダ・ミューラー・作
ささきたづこ・訳 文化出版局

           
         
         
         
         
         
         
    
    

みんなどんな夏休みを過ごしているかな。
ぼくたちは広い庭のある家に引っ越した。荒れ放題の庭を見て、お父さんは「町一番美しい庭にしてみせる」と張り切る。お母さんの希望は、芝生とテラス、きれいな花。妹は野菜を育てる。ぼくは小さな池のある花壇。みんなの意見を入れた計画ができた。
早速みんなで庭造りを始めたので、一ヵ月後には芝生が伸び、野菜畑も花壇にも種をまき、枯れかかっていたりんごの木も元気を取り戻した。車椅子のお友達やリーザおばさんも協力してくれた。
四季の草花、小鳥、昆虫たちがたわむれる庭を中心にした春からクリスマスまでの生活を描いている。
全体に明るい色調の絵で、細かいところまで丁寧に書き込まれていて、あかせず楽しませてくれる。
日本の住宅事情では、思うようにはならないが、こんな家に住んで、親子やお友達と一緒に、手づくりの生活を楽しめたらどんなに素晴らしいだろう。
わたしたちもこんなことを存分にやってみたいと、浮き浮きしてくる。ぬくもりのある生活や、生き方がじんと伝わってくる西独の絵本です。(安)
静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化杉本恵三子