封神演義

許 仲琳:文 佐竹美保:絵 渡辺仙州:訳
偕成社 1998

           
         
         
         
         
         
         
    
 『水滸伝』『三国志』『西遊記』とともにちゃんと明治時代から翻訳されていたにもかかわらず、なぜか知っている人しか知らなかった『封神演義』──。
 たぶん必死に国を作ってた明治には、筋はハチャメチャ、大暴れ……のこの物語はウケなかったんだろうな……ということは、今だったら、整然としている『西遊記』や『三国志』よりもこっちがウケる……と思ったマンガの編集者&作家は偉かったねぇ。
 しかもホントは老人である太公望を十代の少年にしたてたのも偉かった!
 というわけでマンガが爆発的にヒットして、原作までも浮上して、ついにはジュニア版まで作られたわけですが、これがなかなか文章がうまく、わりと子どもたちにも読まれています。もちろん、マンガの絵にはついていけないけど文庫本もつらいわ〜、という大人の方にもおすすめ。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)
テキストファイル化高橋美紀