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本は外っ側も大切、大切、とず〜っと言ってきましたが、ここんとこ急に薄くて小型でY・A向きの装幀の本が増えました。 やっぱリそういう読者の流れがあるんでしょう。 でも図書館では、ヤング・アダルトというのはティーンを意味しますが、一般の世界では(というといかにも図書館が現実から断絶して浮き世離れしてるみたいでヤなんだけど)、二十代の男女を指します。 ホンー卜だよ。 だからこういう商品は、イマイチ大人になりきれない、淋しい二十代が買う、と予測して作られていると思っていいでしょう。 うーん、ティーンも入ってないわけじゃないけど、そうそう自由になるカネってないからね……少なくとも服に使うカネはあっても本を買うカネは高校生には-。 たとえば…ま、この本は昔っから有名です。 佐々木マキの『変なお茶会』-。 マキさんの絵本は、日本のヤング・アダルト絵本のハシリだったんですね、いま思えば-。 アィデンティティをテーマにした『やっぱリオオカミ』だって、当時買っていたのはデザインスクールの連中とか「ガロ」とか「コム」とかも読む十代後半から二十代の人たちでした。 初版一九七九年……Y・Aコ-ナーの主のような本の中の一冊です。(赤木かん子)
『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 図書館員のカキノタネ パート1』
(リブリオ出版 1997/09/20) |
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