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忙しい日々を送っている時、ちょっとひと休みして開いてみたい大型絵本です。 この本には、著者一流のこだわり方で、ピラミッドに関する正確で細かい描写の絵と知識が、びっしり詰まっています。エジプト風の絵がユニークで、それもまた楽しめます。 あなたは「ピラミッド」といえば、何を連想しますか? 三角形の石の墓、世界最古の墓、権力の象徴……。私たちは、そんなとらえ方で知ったつもりになりがちですが、どうして、どうして。「同じものは存在しない」といわれるたくさんのピラミッドには、それぞれの時代の複雑な背景があるのです。 造られた場所も方法も、目的も違います。「ピラミッド」の歴史を知ることは、古代エジプトの歴史の流れを知ることのようです。 本のあちこちに、分かりやすい年表が載っています。細かいところまで心を配ってある正確な絵と、簡潔に要点を述べてある本文に交互に目を通しながら、ゆっくりページをくって、味わいながら読んでみて下さい。 この古代エジプトの歴史と科学の絵本は、実は、ナイル川流域で起きた三千年以上にも及ぶ総合的な人間ドラマではないか、と思えてきます。 (静岡子どもの本を読む会)
テキストファイル化佐藤佳世
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