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『ポケッ卜の中の赤ちゃん』と宇野和子。両方とも、日本児童文学史には登場してこないと思いますが、日本の子どもの本でとにかく一番訊かれたのがこの本です。私は読んだことなかったんですけどね、何十人もの人が訊いてきた中に、題名を覚えていた人が結構いて、それで見つけて読んでみたらほかの人の依頼も解けた、というわけよ。 赤ちゃんが欲しいなっちゃんがママのエプロンの中から小さな子ども、ムーちゃんを見つけ、世話をする(というよりふりまわされる、のほうが近いと思うけど)というス卜ーリーで、そのひとつひとつが確かに子どもの感覚で描かれていて、子どもが夢中になるのも当然というか、いやあ、よくこういう物語を見つけてくるよねえと思いますね。もちろん書けるのも凄いけど……。 子どもの本を評価するのって大人だからさ、子どもにしかアッピールしないものって取りこぼす可能性が高いんだよね。この本はフェリシモの復刊企画により、一九九八年にようやく再版されました。だからフェリシモに申し込めば今は買えます。(赤木かん子)
『この本読んだ? おぼえてる?』(フェリシモ出版 1999)
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