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『クローディアの秘密』で児童文学界にヤング・アダルトタイプの現代っ子を定着させたカニグズバーグですが、あの話ではカニグズバーグはクローディアを家出させたものの、家に帰すことができなくなってしまい、イヤミなフランクワィラー夫人を登場させることで強引に解決してしまいました。 でもこの二冊目ではさすがにカニグズバーグ……二度同じ間違いはしませんでした。 優等生でいい子で、はたで見てる分には何の問題もなさそうなエリザべスは、本人も意識してないでしょうが、本当はとても問題児でした。たとえば表面いい子で美人で大人には大変ウケのよいシンシアが、ホントは小さい子を陰でいじめるヤなやつだ、ということを見抜く力はあるくせに、それをお母さんに説明する、なんてことをエリザべスは思いつきもしないのです。そのくせ、それが見抜けないお母さんのことを内心バカにしてるの。 もちろん原因は両親に実力がなく、彼女をマトモに保護してやれないことですが、エリザべスはこのまま大人になったら、さぞかしイヤミな、そのくせうわべだけはとリつくろうことができる、邪悪な女になったでしょう。 日本の三十歳前後にも、こういうタイプの人、いっぱいいるよね。 彼女のカラを破り、解放したのはクラスメートの(つまリ同じ大きさの人ね)ジェニファで、彼女は自分は魔女だと言い、エリザべスを魔女見習いにする、と言ってさまざまな課題を課し、クリアさせます。 エリザべスはもう大きすぎたので、途中で魔法は破れますが、このやリ方でジェニファはゆうゆフとエリザべスを〃解放〃したのです。(赤木かん子)
『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 図書館員のカキノタネ パート1』
(リブリオ出版 1997/09/20) |
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