メイベルおばあちゃんの小さかったころ

アリータ・リチャードソン/文 ドーラ・レーダー/絵
中村妙子/訳 朔北社 1994

           
         
         
         
         
         
         
    
 メイベルおばあちゃんは、いまから百年以上前、アメリカの開拓時代の人で、もちろんその頃はおばあちゃんなんかじゃなく、八才の、元気のいい、ときどき突飛なことをしでかしては本人もまわりも大騒ぎ、というおてんばさんだったわけですが、これはそのメイベルおばあちゃんの孫がおばあちゃんからきいたハナシを一九七〇年代になって(つまり自分もおばあちゃんになってから)語ってくれる、という趣向で、その頃のハナシとしては『大草原の小さな家』が有名ですが、こっちの方が書いている年代が新しいので話のテンポもよく、新しい定番シリーズになるんじゃないかと思います。第一巻のこれでは彼女は八才ですが、一六才になると上の学校に行くために寄宿するし、昔の『ケティー物語』の好きな人などは大人でも喜ぶでしょう。
 一話ずつ読み切りで短く、毎晩一つずつ読んでやるのにぴったりです。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)
テキストファイル化天野真美