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ライオン、トラ、チンパンジー、キリン…動物園でおなじみの二四種類の動物のさまざまな顔が紹介されたポートレート集である。 見開き一頁が日本各地の動物園で撮影された動物たちの顔で埋めつくされている。眠たそうな顔、難しいことでも考えているような顔、怒っているような顔、すっとぼけた顔…、一つとして同じ顔はなく、よくもこれだけいろんな表情が並ぶものかと感心する。 各ページには語りかける調子で動物の紹介や動物園で見学するときのポイントなどが記されており、楽しみは尽きない。どの顔の下にもその動物がいる動物園の名が付されている。この絵本は『この顔に会いたかったら、この動物園へ行こうよ』という願いを込めて書かれたという。 動物に対する作者の深い愛情が滲み出ている。(喜多由美子)
『子どもの本-新聞書評から7』(子どもの本書評研究 1996)
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