モンスター・ホテルでこんばんは

柏葉幸子・作
高畠純・絵 小峰書店

           
         
         
         
         
         
         
    
 町はずれの古い郵便局の隣に、長い間空き家になっているビルがあります。そこはなんと、モンスター・ホテル。もちろん、人間は知りません。日が暮れるころ、眠っていたお客さんたちがぞろぞろと起き出します。お化粧をしているフランケンシュタインやオニの新婚さん、吸血鬼の親子ら、ホテルはいつも満員です。
 世話をしているのは、透明人間のトオルさん一人。毎日、お客さんより二時間も早く起きて食事を作ったり、荷物を運んだりで大忙し。
 ところが、ある日、女の子に化けそこなったキツネのツネミさんがやってきて、ホテルを手伝うことになりました。
 この本のほかにも、悪魔一族のデモンじいさんの誕生日を祝う『モンスター・ホテルおめでとう』や、おんぶおばけ学校一年生「オンブブ」の宿題を描いた『モンスター・ホテルでなつやすみ』など、現在五冊出ています。
 夏の暑い、暑い夜、ちょっぴり涼しくなる一冊。どの巻からも楽しめます。
 (由)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化山口雅子