「森に遊ぶ」どろ亀さんの世界

高橋延清・著 朝日新聞社

           
         
         
         
         
         
         
    
    

 「どろ亀さん」は何十年も北海道の森林の中で天然林の研究を続け、みどりの大切さ、働きの重要性を訴えてきた高橋先生の愛称なんです。帽子をかぶっていると亀さんそっくりですって。
  この本はそのどろ亀さんだからわかる森の世界を、詩やエッセーにのせて、心やさしく語っています。
 春、夏、秋、冬それぞれに楽しみがあって、人々とのつながり、そして木々や草や動物や小さな虫のことなど、お話はもりだくさんです。
 「森は、人間なんか足元にも及ばないほどの時間の長さで生き続けていくものだから、まだわからないことの方がはるかに、はるかに多い」と言う。
 秋も深まってモミジの美しい季節です。どろ亀さんといっしょに不思議の森をのぞいてみませんか。92年には自然保護・種の保全の基礎になる研究に贈られる「日本学士院エジンバラ公賞」を受けられた先生でもあります。
 (天)=静岡子どもの本を読む会
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