もしもし、ネコをかってます

本木洋子:文 今井弓子:画
童心社

           
         
         
         
         
         
         
    
    

 単身赴任で福岡県へ行ってしまったお父さん。お母さんとお姉ちゃんと百合ちゃんだけになってしまった家に、ちっちゃな猫が来た。黒っぽくて、毛がもしゃもしゃと長く、まん丸い目をした、ヌイグルミみたいな猫。「サスケ」はいつの間にか家族の一員に。
 お客さんが大好きで、玄関のマットの上に座ってお迎えをする。出前の人が来ても新聞の人が来ても、そう。そして頭をなでてもらうのが好き。そのサスケが泥棒を捕まえ、お手柄をたてる…。
 猫って、猫好きの人がわかるんです。初めて会った人でも、好きな人のところに寄って来て、体をすりつけてくる。話しかけるとミャーミャーと返事をするし、頭をなでてやるとゴロゴロとのどを鳴らして気持ちよさそうにしている。安心して体をあずけているのでしょう。動物好きな人に、悪い人はいないといいます。
 犬、猫などを飼うと、小さな生き物、弱いものに優しくする心が、自然に育ってくるのかもしれませんね。これはとっても心が温かくなる本の一冊です。
(沢)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化中島千尋