よもぎだんご

さとう わきこ・作
福音館書店

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 春らんまん。野山や花壇、道端に春の草花が咲きそろいました。タンポポ、スミレ、ツクシ、ナズナ、ヨモギ……。
 「においがおいしい。いろもおいしい。おいしさ一〇〇パーセントさ!」と、ばばばあちゃんと子供たちは、ヨモギの葉っぱを採りに出掛けます。
 ほのぼのとした絵が楽しい。おいしい野草を探して、それを料理するという月間の科学絵本「かがくのとも」の傑作集です。キクのにおいのするヨメナ、もんでつければ傷薬にもなるヨモギ。タケノコのようなイタドリ。どんな料理になるのでしょう。
 洗ってゆでて、水に付けて、切って調味料を混ぜて、あえ物のでき上がり。次に、ヨモギだんご。「やらせて やらせて。おだんごづくりは ぼくらがめいじん」
 と、子供たちが手伝います。春の香り漂う若草色のだんごが、でき上がります。八百屋で売られている野菜しか知らない子供たちは、ツクシやヨモギなどの野草がおいしく食べられることに、目を輝かせることでしょう。
 昔話にも出てくるヨモギは、季節の変わり目の邪気をはらうと言われています。この本を参考に野草パーティーを開いてみては、いかがでしょうか。
 
(川)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化岡田和子