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現代の様々な「家族」を書きつづけている著者は、舞台を百五十年前、産業革命の波にのるアメリカ東部に移した。 主人公は山村に住む貧しい十三歳の女の子。父は家出したので、精神を病む母と幼い弟妹を守りながら必死に暮らしていたが、家の借金を払うために、紡績工場で働きはじめる。 どんな人とどんな出会いがあったか。主人公をとりまく家族、紡績工場の仲間の監督や娘たちの個性が、会話と行動でいきいきと描き分けられている。 主人公を愛する隣の家の青年(ひそかに奴隷解放運動をしている)の素朴なふるまいも味がある。 山の小さな家で、襲ってきたクマをひとりで撃退し家族を守った十三歳の少女が、どんな過程で文字や言葉を獲得し成長していったか――。一人の女の子の自立物語を通してアメリカの歴史の一端もうかがえる。(く)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化渡辺みどり
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