わたしの孫は100匹のサル

三戸サツエ:文・写真
学習研究社

           
         
         
         
         
         
         
    
    


 サルの群れは、ただ集まっているだけではありません。群れのボスは、いばりくさっているだけでなく、群れが平和にすごせるようにとりしまるのが主な役目です。群れの中のサルがけんかをはじめると、ボスはそちらに向かって走っていきます。そして、けんかをしかけた方をおさえつけます。ときには、かんでこらしめることもあります。
 サルたちは次から次へと新しいことを発見しました。芋(いも)を水で洗ったり、塩味をつけて食べる行動をはじめたサルや、麦を水に落として砂と分ける方法をはじめたり、生魚を食べはじめたりしたのです。そのほかにも、子ザルを守る母ザルの姿や群れを犬から守って戦うサルたちなど、人間社会との共通性などがあって、大変おもしろいと思いました。サルに対する見方がかわるのではないでしょうか。この本は幸島の野生ザルを四十年間観察した記録で、魚を食べるサルの写真などもあり、ほほえましい感じがします。
(沢)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化渡辺みどり